僕と妹
山田との一件があってからというもの、知美は僕らの家に着くまで一言もしゃべらず、終始俯いていた。そうして家に着くなり、自分の部屋へ駆け込み鍵をかけてしまった。もし僕が好きな人、そう、この場合は知美のことなんだけど、その人にあんな裏切られ方をしたら、ショックのあまり、オナ○ーで体の養分全部出し切って死んでやるくらいのことはしてしまうだろう。それを思うと少しだけ知美のことが憐れになった。まぁ、これからは僕がずっと傍で見守ってあげるから大丈夫なんだけど。
「おかえり。」
専業主婦の母が僕に声をかけてきた。
「ねぇ、ともちゃんはどうしたの?いつもならお台所に顔出して、『お母さんただいま』って絶対声をかけてくれるのに……。何か嫌なことでもあったのかしら?お母さん心配だわ……」
「うん、彼氏に振られたみたいでね。今はそっとしておいてよ。」
「あらぁ、そう……。早く立ち直ってくれるといいけれど……。ともちゃんは繊細だから…。それよりもあんたは何?また懲りずに部屋に引き篭もり?あんたのことなんかどうでもいいけど、日中はカーテンくらい開けなさいよね。ご近所の奥様方に『あそこの部屋はいつもカーテン閉め切ってますね』って言われてもう恥ずかしいったら!!それに……」
母の知美を可愛がる姿は結構半端じゃない。本当に、目に入れても痛くないほどの溺愛っぷりだ。それに比べて僕のこの扱いの低さったらなんなんだろう。確実に我が家のヒエラルキー階層の底辺に位置づけられている感が否めない。まぁ、家族として認められているだけマシなんだけど…。
僕は母のお小言を軽くいなし、自分の部屋へと向かった。
そこにあるものはいつもの光景。日は入らずによどんだ空気、壁にはエロゲヒロインのポスターやタペストリー、本棚にはマンガ本の山。その上にはこれまた美少女フィギュアが所狭しと並べられている。そして最後にPC周り。外付けハードディスク、プリンタ、スキャナなどの一般的なものの傍らに、知美の部屋を常時監視するための盗撮モニタや盗聴器の本体などの機材が所狭しと並んでいる。
「カーテン開けたらこの異常な空間が世間にさらされるんだから、そりゃあカーテンなんか開けれないよね。」
流石に僕にも世間体を気にする神経はある。人様から見たらこの部屋は異常そのものだろう。一人苦笑しながらつぶやいた僕はまずは軽くネットサーフィンを始めた。アングラ仲間とチャットでやりとりし、ファイルの違法コピーや掲示板サイトの荒らしなどをしてどっぷりと暗い世界に浸っていると、知美の部屋に仕掛けた盗聴器から物音が聞こえ始めた。荒い息遣い、終いには喘ぐ様な声が定期的に聞こえてくる。僕は大急ぎで盗撮モニタをチェックすると、そこには知美がベットに横になり、ショーツの中に手を入れて陰部をまさぐっている姿があった。朱に染まった頬、クネクネとくねらせる腰使い。口を自分手でふさぎ、声が漏れないようにしている。
そう、知美はオ○ニーにふけっていた。陰部をまさぐる手つきは段々と早くなり、声が漏れないようにふさいだ左手だけではもう我慢ができないほど大きな喘ぎ声を上げていたのだ。
「山田君、山田くぅん。どうして?どうして?あたしだけじゃ満足できないの?あたしの体こんなにしたくせに、酷い…。でも……。やっぱり忘れられないのぉ。ごつごつした手でもっともみくちゃにされたい。ぶっといので貫いて欲しい!!」
喘ぎ声の中に入り混じった独白。あんな酷い捨て方をされたのにも関わらず、知美はまだ山田のことを想っているのだ!!
僕は激しい嫉妬を覚えた。知美のことがこんなにも好きで、その想いも伝えた。知美が部屋で何をやっているのか知りたくてこうして毎日観察だってしているのに!!
怒りに駆られた僕はPCやモニタを弄繰り回し、画面の前でボタンを一つ押し、一喝した。
「知美!!君はあんなむごい仕打ちを受けたにもかかわらず、まだ山田のことを忘れられないのかっ!!?」
隣の部屋では「ひゃああっ」と悲鳴が上がり、「ちょっと……どういう事?」などと狼狽する様が感じ取れた。
「事態をよく読みこめていないようだから教えてあげる。君のパソコンをちょちょいと細工をさせてもらってね、こちら側からいつでも知美のパソコンにアクセスできるようにしたんだ。僕のモニタ前の姿をいつでも僕が望んだときに知美のパソコンに映し出すことができるようにしてある。SFアニメでよくあるホログラフみたいですごいでしょ?待ってね、今、知美からも僕のことが見れるようにしてあげるから。」
そうして僕は軽くPCを操作する。すると画面の前にオロオロとした知美の姿が映し出された。画面をアップにしてライブチャット状態にしたのだ。
「ちょっと!!これってどういう事?なんで兄ちゃんが私のパソコンに??」
「それはもう説明したはずだよ。もっと端的に言えば、僕は知美が部屋で何をしていようが、いつでも強制的に知美のパソコンを乗っ取って自分のしたいようにできるってことさ。」
「なにそれ?じゃあ私は兄ちゃんに監視されているって事?なんてことしてくれんのよ、このクズがっ!!」
「クズとは酷いなぁ。前にも言っただろ?僕は知美のことならなんでも知りたいんだ。だからこうすることくらい朝飯前だし当たり前さ。こうしてもらったほうが、知美も僕に守ってもらえる感じがして心強いだろ?」
「冗談じゃないわよ!!それじゃあただのストーカーよ!!こんなことまでするなんて…。もう何も信じられないっ!!!」
錯乱しかけたようにわめき散らす知美。ホント、分からず屋だなぁ、僕の一身の愛をどうしてそこまで拒絶するんだろう?女の子の心ってのはうまく分からないものだ。
僕は一呼吸置くと、段々と落ち着きを取り戻しつつある知美に向かって優しく諭すように囁いた。
「大丈夫。他の何を信じられなくても、僕のことだけは信じてくれていいんだ。何も怖くないよ、今から知美の部屋に行って慰めてあげるから。鍵なら大丈夫。ちゃんと合鍵を内緒で作っておいたから。」
「いやぁ、来ないでぇ……」
「何もしないよ。だってそうだろ?物理的にもネットワーク的にも、僕がその気になればいつでも知美の部屋に簡単にアクセスできるのに僕は一度だって知美に手を出したことはないだろう?住む者同士だけが別々ってのもおかしな話さ。それじゃあ、今から行くね。」
通信を遮断し、僕は部屋を出て知美の部屋のドアノブに鍵を差し込んだ。カチッと音が鳴り、扉がすんなりと開く。その奥には、毛布に包まって怯えた表情をしながら、部屋の隅で縮こまっている知美の姿があった。
僕は「怖くない」ことをアピールするために両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと知美に近づく。そして、知美の顔が目と鼻の先に来るほど近づいたところで一言、
「愛してる。一生君を大事にする。」
そう告げて唇を奪った。目を見開き驚愕する知美。突然のことで思考回路が追いついていかないようだ。
熱い接吻を交わし、僕は無我夢中で知美の制服がはだけて露出した素肌にむしゃぶりつく。
その後のことはよく覚えていない。ただ間違いなく言えるのは
僕は知美を、妹を抱いた!!一つになった!!!
擦り切れそうになる理性が最後に僕の意識に記憶をさせたのは、涙を流し、まるでいやいやをするように頭を振りながら大きなバストを揺らす知美の姿だった。
自我を認識できるようになったのはいつだろうか?ふと気がつけば、知美はベットで体液まみれになりながら息を荒げていた。その荒い呼吸がやがて嗚咽へと変わるとき。僕は彼女になんて言葉をかけていいのか分からず、ただこう囁いた。
「ようやく一つになれたね。これからもよろしくね、知美☆」
服をまとい、知美に毛布を掛けてあげて部屋を出ようとしたその時、僕は一つ言わなければいけないことを思いつき、踵を返して最後にこう告げる。
「今日のことは僕たちだけの内緒だよ?この一生の思い出を他の誰かになんか相談されたくないんだ。もし告げ口したら、保存しておいたさっきのオ○ニー映像や、カラオケ屋で一人カラオケをしているように見せかけてそのマイク使ってフェラ○オの練習をしていたこととか、我が家で飼っている柴犬のグレイト(5歳オス)の発情した勃起チ○ポを観察してあまつさえにぎったりしごいたりしてたこととかも全部、証拠つきでネットや学校にバラすからね。わかったね??」
何の反応も示さない知美の行為を肯定とみなし、僕は部屋を立ち去った。これからの素晴らしい未来に胸を膨らませながら。
こうして僕たち兄妹の新性活が始まったのだった。
気が向いたら続く
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